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感情でネタを思いつき、論理で記事を書き上げる、暇なせとのノートブック。セトヒマノート。 https://note.com/setohima から記事を移行しました。

#モンハン愛をカタチに。 AdventCalendar 2020の作品をふりかえる Week1

この記事は、#モンハン愛をカタチに。 AdventCalendar 2020の作品をふりかえる|せと。|note に投稿した記事があまりにも重すぎてスマホでの閲覧が難しいために、当該記事の内容を分割したものとなります。

1週間分(10作品)ずつ記事を分けて投稿しています。

 

 2020年12月1日から2020年12月25日まで「モンスターハンターシリーズ」に関する二次創作作品を公開する企画を主催させて頂いたせと。です。
 本企画の概要や公開された作品の一覧については、以下のツイートをご覧ください。

 

 この企画中、私からは各作品の推薦文を書き、引用RTでそれぞれを宣伝させて頂きました。以下のツイートはその一例です。

 

 ですが、推薦文である以上は初見での面白さを失わせてしまいかねない(=ネタバレ)ような文章を書くわけにはいきませんでした。ひと目で見て全体像が分かるイラストや画像はまだしも、書き物や動画でネタバレをしてしまっては実際に作品を見ずに済ませる方が増えてしまうからです。

 これにより何が起きたかと言うと、私自身がネタバレありで感想を書きたいのに(約半分は)書けないというお預け状態になってしまったのです。
 (厳密には書き物や動画の作者さんにはDMで直接お伝えしているのですが、開催期間中はそれを表に出すわけにはいけませんでした)

 

 しかし、開催期間が終わった今であれば、大手を振ってネタバレありの感想を公開することができます。とはいえTwitter上に50作品分の感想をツイートしてしまうのはさすがに迷惑が過ぎると考えたため、このnote記事で感想を公開させて頂きます。

 『ちょっと気になった点』をごく一部含めることもあります。しかし、企画趣旨としては批評を行うことがメインではないため、褒めて伸ばすスタイルで感想を書きます。50作品分。

 

 

【以下は全作品に関するネタバレを含みます】

 

01. Day1 AM せと。

 で、いつになったら闘技大会Sランクをソロで取るんですか? ゴメンネヨワクテ

 初っ端から自分の作品ゆえに感想も何もという感じではありますが。とりあえずこの記事を書こうと思ったきっかけは、やりこみ勢への密かな憧れと(あわよくば成果を出すことができたらという点での)承認欲求、そしてゲーム中の自身の思考を文章として書き起こすことの実証実験でした。ま、結局のところやりこみ勢の域にはまだ到達できていないわけですが。

 如何せん『弾撃ってればいつかはソロS取れるだろ』と思っていたのですが、まさか狙撃榴弾を撃ち込む戦いを強いられるとは予想していませんでした。そのうえ筆者は『すぐに結果が出ない努力を躊躇いがち』なタイプなので努力が続かないのなんの。

 自分の思考を整理しながら試行錯誤を繰り返すのは何も考えないよりは効率が良いだろうとは感じましたが、やはりどうしても手間がかかります……。せめて『あとは運次第でゴールにたどり着ける』段階まで行ければあとは試行回数勝負なのですが、それもまだできておらず。
 闘技大会でソロSを出せる方々の情熱と努力が、つくづく羨ましいなあと思います。

 とはいえ、ちょっと嬉しいこともあって。私の記事を読んだ方が、闘技大会ソロSを達成されたのです。

 どんなに些細なことでも知見を残すことで誰かの役に立てるのだなあ、と自分で記事内で記したことが間違いでなかったことがよく分かりました。リサリサさん、ありがとうございます。

 

2. Day1 PM こちゃ さん

 この作品を見た時、かなーりびっくりしましたね。いや実は事前にDM「こんな感じの作品を作ろうと思います」と下書きを見せていただいた時からすでにびっくりしていたのですが。
 なぜかというと、普段のこちゃさんの作品はとてもシンプルなものが多い印象があったからです。例えばこんな感じ。

 普段のこちゃさんと比較すると、かなり力を入れて下さった作品だと分かります。如何せん、「今までで一番悩みながら描いた」と仰るぐらいですから、その具合は相当なものだったと思います。

 個人的にツボだったのは右下のゾラ・クリスマラオスツリーですね。普段の姿では絶対着けないであろうクリスマスグッズの数々が、かわいいデザインのお陰ですっかりお似合いになっています。かわいいですね。

 

3. Day2 AM そら中尉 さん

 そら中尉さんは、普段は以下の動画のようにガンランスでスタンを取ることにハマっておられる方だそうです。

 しかし今回ツイートしていただいた動画ではガンランスを用いたスタンは冒頭の数シーンのみで、その他は着撃弾と様々なものを組み合わせてのスタン動画集となっています。捕獲用ネットやイグニの魔法、雪玉にFFジャンプ…着撃弾を組み合わせれば当然といえば当然スタンが取れるのですが、言われてみないと案外気づかない(というか試そうと思ったことがなかった)ので着眼点が素晴らしいなぁと思っています。

 さらっと流してしまいましたがガンランスでスタン取れてるの普通にお上手なんですよね…!フルバーストや空中フルバーストでスタンするのなんて脳汁プシャーって感じです。しかもYoutube動画のほうでは抜刀術【力】を用いてスタン可能な全モンスターのスタンを撮っている動画を上げてらっしゃる…。モンスターの突進に合わせて抜刀踏み込み突き上げを当ててスタン取ってる辺りなんて芸術ですよ。やろうと思ってそうそうできる芸当じゃない。

 やはり一つの物事を極めている方々というのは相応に輝いて見えてしまうんですよね……自分もまだまだ未熟だと感じています。っていちいち他人と比較してたらキリがないんですよね。餅は餅屋、ということでマイペースに生きましょう。

 

4. Day2 PM ジョニー・D さん

 読んでいて意外だったのは、主人公がMHX~MHXXの主人公キャラクターということを示唆する部分。超ざっくり言ってしまえば旧大陸でのモンスターの狩猟に対するもやもやが新大陸での経験によって晴れる、という内容だと私は感じたのですが、よく内容が薄いとか言われがちな旧大陸での出来事を引き合いに出してキャラクター付けをしつつ、新大陸のストーリーと絡めてアンサーを出すというのはなかなかにお見事なストーリー構成だと感じています。

 あと私事で恐縮ではありますが、読んでいて思ったのは……地の文が女性口調だと色々と刺さりますね、ワタシ。さすがに終盤の主人公が狩猟本能発揮するシーンで我に返りましたが、ちょっと感情を揺さぶられやすくなっちゃうなあ……と思ったり。いや何の話だこれは。

 話を戻して。言うて新大陸のストーリーもダイレクトに伝わらないというか回りくどい部分があったことは否めないと私は感じていたのですが、前述の主人公の前歴や心理という前提があるおかげで、新大陸のストーリーを理解する一助になる作品になり得るのではないかなあと思います。

 余談ですが、ジョニーさんには日々公開される作品のほとんどに対して真摯に感想を伝えてくださっていた印象がとても強く、また私の解釈不足な部分を補ってくださるような紹介もあり、大変ありがたかったです。

 

5. Day3 AM ぜおん さん

 本企画では初のハーメルン枠にして、連載枠。そして、戦闘シーン全開で来てくださった作品です。
 やはり目を惹くのは動作に関する描写。普段から見慣れている太刀や操虫棍の動作の1つ1つが文章で表されていくと、それぞれがゆっくりと再現されていく感覚を覚えてちょっと楽しくなってしまうんですよね。それに加えて、ゲームにはないような『地面に叩きつけられる反動を操虫棍の発砲で抑えようとする』なんて描写も出てくるので、これがゲームではなく真に狩猟を行っている狩人の姿なのだと認識させられます。

 極めつけは一番最後のシーン。シアンがどうして空中にいるんや!?と謎を残したまま次話に続くという、ニクい演出です。ちなみに空中にいた理由はすでに公開されている次話を読めばすぐに分かりますが、どうやら彼女はエリアル太刀使いのようなのです。そういやエリアル回避も無敵時間あったなぁ(使いこなせた試しがないけれど)。

 とはいえこの話はあくまでも連載中の小説の途中のお話。どうしてこの2人がコンビを組んでいるのか、とか狩人の経験が少なそうな割にシアンがかなり強くないか、とか色々気になることはありますが、そういった話はきっと頭から作品を読み進めていけば明らかになるのでしょう。……ハイ、まだ読む時間が確保できていないので冬休み中に読みたいと思います。

 

6. Day3 PM 寝猫さん

 いやあ、何度見返しても目を疑うんですが……色鉛筆でここまでできてしまうんですね……!
 もふもふしたいけど痺れそうな毛、堅そうな鱗が塗り分けされているのは勿論のこと、まるでルビーか何かではないかを思わせるような目の透明感が最も目を惹きますね……この質感、飛雷竜の宝玉と言ったところでしょうか。

 しかしポージングや棘の向きからすると、戦闘態勢真っ只中なのでしょうか。いやそうじゃなきゃ帯電してないか。カワイイ印象もある普段と比べると、なかなかにクール方面に振り切っておられるようですね。一体何を相手にしているのやら……ジンオウガと縄張り争いだったりして。
 まあ、こういったギャップを楽しむために二次創作作品を心待ちにしているといっても過言ではないのです。

 

7. Day4 AM ジャスティスハルカ さん

 今更ながらイラストに関しては知識がほとんどないので大層なことを言える立場ではないのですが、ジャスティスハルカさんの描く女性は力強さと美しさを併せ持つ、一言でざっくり纏めるとヴァルキリーのような印象を受けます。例えば、彼女の最新作であるベリオXシリーズのハンターを見ると、私と同じ印象を持つ方は多くなるのではないでしょうか。

 なんでそんな印象を抱くのだろうかと思えば、全体的に黒めの色を使っていらっしゃることが多いからでしょうか。しかし、だとしても描かれるキャラクターの美貌を損なわずに注意しつつもしっかりと強さを表現できるのは、相当に難しいことなのではないかと思います。

 そしてライラの背後にどっしりと構えるラージャンインパクトと来たらたまったものではない。同様に黒をベースとしつつも毛並みが分かる程度には色分けされていたり、描き込みの量の差から明らかに人間ではない、と分かりつつもどこか人型に近いものを感じてしまう不思議な感覚を覚えさせられるラージャンです。恐ろしさもあるけれどどうしてか親近感も沸いてしまう、そんな不思議な感覚を覚えます……。

8. Day4 PM アラウ さん

 まさかの飯テロ…ならぬお菓子テロ。さらっと様々なお菓子を作っていくシーンが怒涛の勢いで描かれているが、よくよく見ると作中に出てくる食材の殆どはMHW・IBに出てくる食材ばかりなのです。いやあ、ゲーム中に食材は数多くあれども、その味までを想像したことはなかったですね……さくらんぼの代わりにヘブンベリーを使ったとはいうものの、昇天する味って実際どんな味なんだろうなぁ。さすがに味で殺されてしまうような味ではないだろうけど。

 さらに驚かされるのは作中に出てくるお菓子の引き出しの量。洋菓子がメインだと思うのですが、私にとってはほとんどがその名前を聞いたことがないものばかり……自らの知識の狭さに、片っ端からGoogle検索を頼ることになりました。レープクーヘンとかポルボロンの辺りからもう聞いたことないお菓子ばかり。

 MH食材を使う辺りといい、ポルボロンをゾラ・マグダラオス風にアレンジする辺りといい、総じてアラウさんの想像力にはとても驚かされます。

 

9. Day5 AM 皇我リキ さん

 この作品を一日目の頭に据えさせてほしかった……!というのが正直な所です。まさか、一般のモンハンファンを二次創作小説の沼に引きずり込むような作品を出してくださるとは思わなかったのです。

 MHP2Gのゲーム内の場面場面を切り取り文章に起こしつつも、明らかにゲームとは異なる点が表現されています。
 例えば冒頭でイャンクックを探すシーン。イャンクックが出てくる作品なのにも関わらずMHWシリーズの"痕跡"のことについて触れられている辺りから、早速そのことが伺えます。ここで読者に『ただのゲーム再現小説とは違う?』と感づかせる意図がすでにあるのでしょう。加えてその後にリオレウスらしき痕跡があるのは伏線であり、読者の興味を繋ぎ続ける役割もありそうです。

 そして戦闘シーンに入り、一気に読者の関心を惹きつけていきます。読者にとっては慣れ親しんだモンスターであっても、作中の狩人にとっては脅威になり得る一存在であることが動作の一つ一つから示されていたり。最後のリオレウスもより威圧感をおぼえさせる描写だったり。

 いちいち書き出しているとキリがなくなりそうなのでこの辺りで切り上げますが、まさしく創作小説に慣れ親しんでもらうことを目的に据えているということがよく分かる作りになっており、二次創作小説を読んだことがない方が読者層だった今回の企画には大変ありがたい作品でした。

あと個人的には閃光玉を使ったときのこのフレーズがめっちゃ好きです。

 刹那、光が森を焼く。

 

10. Day5 PM ソネット さん

 ほぼ全モンスターへの印象をありのままに記した作品。これは冗談でもなんでもないのですが、こういった「生の感情がありのままに記録された作品」というのは、現代ではかなり貴重になりつつあるのではないかと思っています。

 厳密にはTwitter上のツイートとかそういった形で感想がいくらでも垂れ流されているのですが、探す側からすると如何せんそれを見つけるのが難しい時代。今回の場合なら小分けにしてツイートした場合、個々のモンスターに関する感想を見つけることはできても同じ人が全てのモンスターに対して感想を書いた内容全てを都合よく取り込むのは難しいわけで。だからこそこういった記事が……いやこれ何の話でしたっけ。

 モンスターの感想が一通りあるだけではなく、さりげなくそれ以外の内容についても触れられているのも見どころでした。“「古代樹は梅田」” とか。

 あと興味深いのは、”ベヒーモスが私のモンハンライフを変えたといっても過言ではないと思います。” と断言している箇所です。
 ベヒーモスといえばMHWの様々なアレコレの矢面に立たされることとなったモンスターであり、正直に言えば良い感情を抱いていない方も少なくないモンスターでもあります。しかしそんな逆境になりかねないような状況でも、自身の経験を踏まえてハッキリと自分の伝えないことを臆さずに伝えられるというだけでもスゴいことだと、陰ながら私は感じていました。

 

【AdventCalendar 2020の作品をふりかえる記事リンク集】