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感情でネタを思いつき、論理で記事を書き上げる、暇なせとのノートブック。セトヒマノート。 https://note.com/setohima から記事を移行しました。

#モンハン愛をカタチに。 AdventCalendar 2020の作品をふりかえる Week2

この記事は、#モンハン愛をカタチに。 AdventCalendar 2020の作品をふりかえる|せと。|note に投稿した記事があまりにも重すぎてスマホでの閲覧が難しいために、当該記事の内容を分割したものとなります。

1週間分(10作品)ずつ記事を分けて投稿しています。

 

 

11. Day6 AM 動くマト さん

 いつもお世話になっております。古龍が勢ぞろいなイラストかと思いきや、実はこの絵自体がゾラ・マグダラオスの背中がベースになっている絵だったり、右端にこっそりフルフルがいたりします。
 こっそりフルフルがいるのは、彼女が以前書いていた1日1フルフルという企画に関連しているのでしょう。

 ちび古龍達はデフォルメ風に可愛く描き、三大古龍はしっかり描き込んでその貫禄を示す。といっても頭部だけのミラボレアスはちょっとかわいくも感じたり。というか同じ禁忌のアルバトリオンをガン見してるのがかわいい。まさしく動くマトさんの表現する世界の幅の広さが表現されたイラストです。

 動くマトさんも、日々公開される各作者さんの作品に対しリプライで感想をして下さった印象が大きいです。作品を公開された皆さんに安心感を与えてくださっていたと思います。ご協力頂きありがとうございました。

 

12. Day6 PM ヒマワリちゃん さん

 まさかの "30分" で絵を完成させるスピードペインティングに挑戦なさったのが彼女です。ここだけの話、当初は20分で作品を完成させる予定だったそうです。マジすか……?

 特筆すべきは、デジタル絵を描くのにレイヤー機能(=画像をセル画のように重ねて使う機能)をほとんど使用していないこと。
 多くのデジタル絵描きさん達は、下書きのレイヤー、線画のレイヤー、下地の色のレイヤー、影をつけるための色のレイヤー…というように複数のレイヤーを組み合わせて一つの絵を完成させることがほとんどです。しかし今回の彼女はそれを利用せずに、デジタルでもアナログで絵を描いているかのように色でキャラクターを生み出し、色だけで影を生み出しています。
 そのうえで普段通りのタッチで絵をすぐに描き上げてしまうのですから、相当に描きなれていらっしゃることが見て取れます。

 そのうえで完成された絵もいつも通りのゆるふわな可愛さ。環境生物たちがクリスマスをお祝いするかのように集っています。特に回復ミツムシがかわいいんですよね……ろうそくに着火してミツが割れないかハラハラしています。あ、自宅に大回復ミツムシのぬいぐるみがある程度には好きです(唐突)。

 

13. Day7 AM ありありありありありありあ さん

 一見すると、戦うことを諦めてしまった手練れのハンターが、彼に憧れていた新人ハンターに連れられて元の想いを取り戻す。そんなお話。

 しかし、感想欄やリプライにも書かれている通り、"手練れのハンター" はモンスターハンターシリーズを手放そうとしているハンターの暗喩であると見ると、また話が違った視点で見えてきます。

 亡くなったハンターは、完全にモンスターハンターシリーズから離れた人々。新人ハンターは、憧れのハンターを目指そうとしている人。

 これは私の以前の記事(※)でも軽く触れたつもりのことではありますが、誰かの心が折れてしまいそうな時にそれを支えてあげられるのは、その周りにいる人かそれまでの過程を見ていた人しかいないのだとつくづく思います。
 勿論やむを得ない状況というのもありますが、そうでない限りは気づいた我々が彼らを支えられるようにありたいものです。

(※)僕は新大陸で狩友を失った

 まあ暗い話はそれくらいにして。久々にジンオウガと相まみえたシーンは、防戦一方であったにせよなかなかの緊迫感が感じられました。そして最も目を惹かれたのはこの言葉。

 ああ、こうやって俺は生きてきたんだ、こうやって生きたんだ。
 そうだ、勿論「あいつらがいたから楽しかった」。それは間違いではなかった。けれど、それと同時に俺はこんな刹那の瞬間を、生きている瞬間を、それすらも楽しんでいたじゃないか!「ハンターとして生きる」自分を、楽しんでいたじゃないか!

 やはり、自分が楽しくあれる場で楽しんでいたいですよね。Riseへ繋がるシーンと、一番最後の意味ありげなシーンも印象的です。あ、一番最後は文字を "選択" すると "磨いた" ことになりますよ。

 

14. Day7 PM すいか さん

 本企画初めての動画作品となったのがすいかさんのゆっくり実況。これは本人にもお伝えしたのですが、親友と駄弁りながらアイスボーンで遊んでいるかのようなノリと勢いで進行していく辺りに安心感があります。

「何で足跡拾ったの?」「何で足跡拾ったの?」「何で足跡拾ったの?」

 ゆっくり実況動画で複数人で会話するように進行していく動画は星の数ほどありますが、ここまで『友人との会話』感のある会話をしている動画はほとんど見れないと思います。自分でも理由はよく分かっていないのですが……モンハンだからか?
 少なくとも題材がかの友情破壊ゲームな桃鉄だったらこうは感じないだろうな、とは思います。

 あと何気にアイキャッチ風に登場するゆるくデフォルメされた霊夢魔理沙のイラストがとても好みなんですよね……ニコニコ静画にあるようなので後でチェックしておきます。

 

15. Day8 AM しろまゆ さん

 動画勢の中でもかなーりネタに寄せてくださっているのがこの作品。実は連載作品の一つではあるのですが、それを全く感じさせないほどの自然さで企画趣旨が動画冒頭で入ってきてすぐ理解できてしまいます。これは当たり前のように見えて中々できることではありません。
 動画の内容が分かりやすいと言えば、最初の10秒で動画の方向性が分かるようなダイジェストを用意しているのも大きな特徴でしょう。

 ゆるーい絵柄で書かれているキリンやクリスマスツリーなど個性的なイラストを自作したり、狩猟のワンシーンを拡大・リピート再生・スロー再生することで巧みに強調しておられるのも、作者の推したいシーンが分かりやすくなる一助になりますね。

 ……というかネタの数々に忘れがちになってしまいますが、これ縛りプレイ動画なんですよね。下位モンスターとはいえ、回復縛りで討伐できるのはなかなかできることじゃないですね。
 総じて、縛りプレイであることだけを動画の個性としないどころかそれを感じさせないまである工夫の数々に、こうして見返していて驚かされます。

 

16. Day8 PM 海すずめ亭 さん

 甘~いケーキたっぷりのクリスマスイラストを頂きました。これ、どういう状況なんだ……?とは思いましたがそんな事は重要ではないのです。

 飴細工か何かで作られたと思われるアイルー雪だるまにプーギー、イヴェルカーナ。正直全部食べてしまうのがかわいそうな見た目ですね……何味なんでしょうか(食べる気じゃん)。

 自身ありげにケーキを眺めるお二人に、さらっとツキミアゲとツキノハゴロモもいる状況。作者さんのスキが詰め込まれたイラストなのだろうなぁと受け取れます。

 

17. Day9 AM しまくま さん

 この頃はちょうどモンハン映画コラボクエストが公開されて話題になっていた頃でしたが、まさか絶妙なタイミングでこんなイラストが公開されるとは思ってもみませんでした。

 さてはて、モンハン映画コラボの話が突然公開されたのはいつの話だったか。コラボ記念アイテムパックが配布され始めたのが11/27だったので、その辺りだったでしょうか。もし2週間程度でこの構図を思いついてカタチにしていらっしゃるのであれば、時流にかなり敏感な方なのだなぁと思います。

 ま、モンハン映画にジョヴォヴィッチの方のミラが出演すること自体はだいぶ前から決まっていた話ではあるので、そうでない可能性も十分にあるのですが。なんにせよ、公開するタイミングとしてはバッチリな作品だったと言えます。

 ツイート情報によれば漫画家のアシスタントのお仕事をしていらっしゃるしまくまさん、イラストに関しては多芸なお方だと感じています。過去の作品も拝見すると、どんなイラストでも行けちゃいそうだなぁと感じさせるほどにバリエーションが多かったりします。

 

 今回のミラvsミラなイラストは輪郭がかなり強調されていたり、アニメ調に見えるような描き方をされていたりで、火を使うほうのミラが脅威というよりも親近感を覚えるような印象を受けます。なんだろう、ゼル伝風のタクトで見かけそうなボスというか。いやそれだとさすがにデフォルメされすぎか。

 なんというか、「この展開ならきっとミラが勝つ!」感がありますよね。ありません?というかそれどっちのミラですかね。いやまあそれはお察しくださいということで。

 

18. Day9 PM 生姜さん

 ボワボワから見た5期団のハンターとそのオトモのお話。そして、平穏とは何か、を私達に問いかけてくるお話です。

 初見ではボワボワ視点なことに強烈な印象がありましたが、今よく読み返してみると、絵本でありそうな『ごろ、ごろ、ごろり』といった表現を

ごろ ごろ ごろり
横転、前転、後転。

のように漢字のルビとして振っている辺りにも既存の小説との大きな違いを見つけました。果たしてこれはボワボワから見た視点と読者の視点を織り交ぜるために使用した表現なのかどうなのかは定かではありませんが、なかなかに興味深い表現方法だと感じました。
 単なる絵本のような物語でもなく、かといってごく普通の二次創作小説でもない。何か新しい分野に踏み込んでいるのではないか、と感じられます。

 そして僭越ながら……未だに『氷の星花』が何を指しているかについて自信が持てない……!
 イヴェルカーナが立ち上がりながらプレイヤーの頭上に数秒間氷を降らせてくるときに使用しているアレの事を指しているんだろうか?と思ってはいるのですが、いかんせん初見のボワボワ視点なもので確信が持てずにいます。うーむ。

 

19. Day10 AM もづる さん

 こちらは私の過去記事やソネットさんとはまた異なる切り口から見た、『自身がMHWに救われた』というお話から始まります。

 成功ばかりが賞賛され目立ち、失敗は蔑まれ一蹴され捨てられがちな世の中。逃げたくなるのも不思議なことではありません。今までは『そのぐらい立ち向かえ』などと状況を知らずに無責任な言葉を投げかけられることもあったでしょう。

 しかし、いくら根性論を掲げてきたクールジャパンでも、もはやそんなものは過去の話になりつつあります。まだまだ捨てきれない人々もいるようですが、少しずつ流れは変わり始めているようです。

 もづるさんの『ゲームを通じて自分の居心地の良い環境を見出し、次に繋げた』という体験も、『新たな流れ』に合致するものなのだと思います。
 私の好きなこんな言葉を思い出しました。

常軌を逸することを恐れてはならない。なぜなら、いま、常識と思われていることは、どれも初めは奇妙だったのだから。 ── バートランド・ラッセル

 さて、もづるさんはモンハン女子への皮肉に関して、

女性男性の区切り無く性を全く意識しないで人間関係が、ゲーム上/インターネット上で展開されるといいのにな、とそう願います。

として締めていましたが、実はそんな空間は私の知る限りでは少しずつ生成され始めていたりします。私が最近沼にハマっている"VRChat"です。

 実は多くのプレイヤーが男女問わず女の子アバターを使っていたり、中身が男同士だろうと外見のアバター同士で関係を築く"お砂糖"という概念が生まれていたり……なんというか、性の意識を無くすというよりも、性の意識を互いの外見にシフトしているような環境がVR上ではすでに生まれ始めているんですね。

 この辺りについてあんまり触れすぎると話が逸れてしまうので、その辺りは追々私のnote記事で取り上げていこうと思います。

 

20. Day10 PM 刃根 さん

 元気一杯なサンタさんとラージャンサンタ、そして既にプレゼントを頂いたのでしょうか、リンゴを齧るキンセンザルが描かれたイラストです。

 最近VRの別ゲームで写真撮影をするのが趣味になり始めているのでこういった構図についてのお勉強もしなくちゃなあと思ってはいるのですが。
 もともとが小さいキンセンザルをラージャンやサンタさんと同等に目立たせるために、キンセンザルをぐんと手前に、ラージャン達をやや奥側に配置しているわけですね。
 さらに、ラージャン達が木でできた橋のような場所にいるのが見て取れますが、その橋は左右に広いのにも関わらずラージャン達が橋の中央ではなくやや端側によって移動しているあたり、橋自体は立体よりも平面という印象があるにもかかわらず奥行きを感じさせるような構図が生まれているわけですね。私の力不足ゆえその意図がキンセンザル以外にもあるのかどうかまでは分かりませんでしたが。

 太陽の光が上部から降り注いでいることが感じられるエフェクトがあったり、雪の中にラージャンとキンセンザルの黄色が目立つあたりからもやはり元気一杯でフレッシュな感情を呼び出されてくれますね。

 ところでサンタさん、私には何か頂けないでしょうか……この前もう当選しただろって?いやまあそうなんですけど(強欲)

 

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