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#モンハン愛をカタチに。 AdventCalendar 2020の作品をふりかえる Week3

この記事は、#モンハン愛をカタチに。 AdventCalendar 2020の作品をふりかえる|せと。|note に投稿した記事があまりにも重すぎてスマホでの閲覧が難しいために、当該記事の内容を分割したものとなります。

1週間分(10作品)ずつ記事を分けて投稿しています。

 

 

21. Day11 AM ゾディスさん

 よもやよもや、文章で音を感じられる日が来るとは夢にも思いませんでした。そうです、『MH世界の中に狩猟音楽祭があったら?』という前提で描かれた、狩人達にとっての狩猟音楽祭のお話です。

 よくよく考えてみれば、実際のMH世界で狩りをしているハンター達は私達のようにモンスターごとのBGMを聞きながらノリノリで狩猟を行っているわけがないのです。そのことは本企画内のいくつかの二次創作小説で描写されている戦闘シーンを見れば明らかです。果たしてそんな彼らが、『モンスターとの戦闘をイメージした楽曲』を耳にした時に何を感じるのか……といった点に想像力が振り込まれた。そんな作品ですね。

 いやまあ、メタメタしいことを考えてしまうと、若干数は『自分の印象と楽曲が一致しない』と感じるMH世界のハンターもいそうとかそんなことを思ってしまうのですが。そんなことは考えたらキリがないわけで、だったら環境は違えど同じ"狩猟"を行っている我々の感覚とMH世界のハンターの感覚を合わせてあげたほうが、読み手もMH世界のハンターもお互いにハッピーな訳です。

 そんな訳だと思う(断定)のでMHハンター達の感覚と我々が狩猟音楽祭の生の音を実際に目の当たりにした時の感覚が一致しているのですが、それを踏まえてもなお音楽そのものや音楽に対する感情を描写するのが大変にお上手だと思います。

 王牙琴が己を形作る牙竜の魂を体現するがごとく、雷鳴もかくやといわんばかりの勢いで音を生み出してゆく。
 熱く、激しく。強く、猛々しく。音は収束し、弾けて光る。
 相対するものすべてをねじ伏せる逞しき牙竜の健脚が、剛く大きな爪が、雷をまとう無双の狩人が、音となって僕らを襲う。

 『閃烈なる蒼光』の部分からの引用ですが、音楽と狩猟風景がシンクロしているかのように思わせてくれるこの表現ですよ。生で楽曲を聞いていた自分達のあのシーンが、その時に脳裏に描いていた雷狼竜の躍動が、思い起こされずにはいられない。いやーたまらん。そんな作品でした。

 

22. Day 11 PM 藻蟹 さん

 通常弾、かく在るべし。そうなんです、散弾やら貫通弾ばかり目立ちがちで、通常弾ヘビィを取り上げてくれるような攻略記事って世の中にほとんど存在しなかったんですね。
 そこに「なぜ通常弾ヘビィなのか」から「自身を囮にあるものを全て使う」、そして「自分が楽しいから使う」という物事の本質を教えてくれる。そんな通常弾ヘビィボウガンの教科書が降ってきたわけですから、私としては大変嬉しくて推薦文を2ツイートも書いてしまったわけです。ハイ。

 ちなみに文中で私が好きな一節はこの部分。

そもそも、何がなんでも遠距離通常弾を使わなければいけないわけではない。相手に応じて装備や戦法を変えるのもまたハンターの基本である。
こだわり故に苦戦するのもまた一興だが、意固地になり過ぎないようには注意しよう。

これは作中の終盤でも触れられているが、使えるものは全部使って、自分が楽しめるように遊ぶのが一番楽しいのです。
 縛りプレイとはゲームに対して物足りなさを感じるからこそ新たな楽しさを追い求めるべく自身に枷を敷くのであって、決して『周りがやってるから』とか義務感や何やらで行うべきものではないはずなのです。じゃなきゃ続かないし、自分の縛りで勝手にゲームに不満を抱いてゲームから消えていく。そんなことになりかねないわけで。

 だからこそ私は一つの武器に執着せず色々な武器を使うようにしています。などと犯人は供述しており、ギルドでは犯人にヘビィボウガンでの闘技ソロSを取らせるように…あれ何の話だっけこれ。とりあえず、「お前も一発300ダメージも出せる通常弾ヘビィボウガンの鬼にならないか?」ということです。

 

23. Day12 AM 蒸しぷりん さん

 いやぁ、本企画において一作品内のキャラクター数という点ではこの作品の右に出るものはないでしょう。過去作とMHWシリーズへの愛のこもった渾身の一作です。

 正直なところ、MHWってこんなにキャラクター居たんだなぁ……と思ってしまう程度にはゲーム内のNPCをよく見ていなかったです。反省。しかも蒸しぷりんさんのツイートによれば、ほぼ全員がセリエナに居るのだそうな。普段セリエナ集会所ばっかり使ってるから全然知らなかった……

 それにしても歴代パッケージモンスターが揃い踏みらしき氷像に加えてイヴェルカーナご本人の登場。そりゃあ皆さんびっくりしたり笑顔になったりしますよね。氷像を作ったのはイヴェルカーナなのかどうか定かではないですが、人間とモンスターの繋がりを感じさせるようなほっこりとした作品でした。

 

24. Day12 PM 霊藍サキ さん

 MHW作中でゾラ・マグダラオスが新大陸付近に身を沈めたように、ダラ・アマデュラが大地に命を還元した時のお話。

 話の内容としても "そういう事実があった" ことは知っているであろう読者が多い中でこういった魅力的な作品を出していき、尚且つそれが冗長にならずとてもシンプルに纏め上げられているのは流石の手腕と認めざるを得ません。

 一つの膨大な命が散り、そこから無数の新たな生命が生まれる。ただそれだけの事実なのに、というか作中のほとんどが『事実』だけで構成されているのにも関わらず、どうしてか奥深さを感じさせてくれるのです。生命の神秘を感じる、不思議な作品です。

 

25. Day13 AM ジョー半身 さん

 モンハンコスプレ、それもまさかの頭部と手でモンスターになりきる方の作品です。

 ネルギガンテに関しては目の部分をよく見ないとコラ画像と間違えられそうなほどのクオリティ。角の造形や色合いが実物そのまますぎる再現度で、一体どうやって作られているのかが不思議に感じられるレベルです。
 リオレウスはゴツゴツした頭部を木を用いて上手く表現されています……えっこれもしかして木で作られているんですか?

 ちょっと気になってしまったので過去ツイートを拝見。

どうやら少なくともネルギガンテについては土台を段ボールで、そこからガンガン塗りなどで手を加えて制作されているようです。さすがに木だったら重いですよねたぶん。たまげたなあ……

 

26. Day13 PM 指ホチキス さん

 砥石の使い方に関するお話。

 馬鹿野郎ォ!!は、筆者が実際に何度も言われた言葉だったりするのでしょうか。というのも、後書きに『仕事中にナイフを研ぎます。』とあったものですから。いや偏見でしょうかね。

 ゲーム中ではさも当然のように砥石を利用するハンター達ですが、果たして現実世界で実際に砥石を使ったことがある方はどれだけいらっしゃるのでしょうか。少なくとも私は包丁の研ぎ器ぐらいしか使ったことがありません。

 そして、研ぎ方というのも言葉で表現できるものではなく、「見て覚えろ」というのがきっと通説なのでしょう。少なくとも筆者の経験はそのようです。実際、自分がさも当たり前のようにやっている事を言葉で説明しろと言われると、案外難しいですよね。日本語の使い方について説明しろと言われてもそんなこと考えたことほとんどないし面倒くさい。みたいな感覚と同じでしょうか。

 あとは研ぎ方を間違えると武器の属性が暴れてしまう。この部分は実際にありそうだなぁ…とニヤニヤしながら眺めていました。確かに、作中の武器が自身に対し敵意があるかどうかで属性を発動するしないを自ずと選択していくなんてことは無さそうですよね。そういう機能があるのはどちらかというとSF寄りの世界観になりそうなものですから。

 

27. Day14 AM カキピー さん

 初手からかわいい感じのクリスマスMADかな~と思っていたらペンギンフェイクで様子が一変する動画です。BGMが「もしもクリスマスソングがラスボスのBGMになったら」という名前なだけで既に面白い。

 内容は各武器種での華麗な狩猟シーンを切り取っていく系のMADですが、途中でチャアクの瓶が無くなって超高出力斬りが出せないシーンが人間らしくあり親近感があります。
 こういう動画って人外の領域に踏み込んでいるような作品ばかりに思えるのですが、いわゆるメディアの意図的な切り取りによるバイアスがかかっているのと理屈はほとんど同じはずなのです。

 なので、もっと気軽にこういう加工動画がぽんぽん出てきてくれたら楽しいのになぁ……と思うのですが、なかなかそうも行かないのでしょうね。ちなみに個人的には徹甲榴弾を無慈悲にもリロード無しで8発ぶち込み続けているシーンがお気に入りです。弾節仕事した。

 

28. Day14 PM 気の抜けたペプシマン さん

 地上から、空への逆襲。一体何がどうしてレイギエナがこんな失態を犯してしまったのかは定かではありませんが、こうなってしまってはブラントドスに良いようにされてしまうのは間違いなく。いくら空中ではきりもみ突進できるレイギエナであっても、首をがっちりと拘束されてしまっては回転すらできないがないはず。
 そんな場面が、舞い散る雪飛沫と共にイラストで表現されています。おそらく運搬中なんでしょうなぁ……

 いや本当にお世辞でもなんでもなく、私からすれば絵が描けるだけでも十分すごいのです。是非ともこのまま、躍動感もあるモンスターのイラストを描き続けてほしいなあと密かに期待していたりします。

 

29. Day15 AM ヘビィ・ニンジャ さん

 まあ、概ね推薦文で書いた感情が全てではあるのですが……いやあのね、理屈では分かるんですよ?

 触覚・視覚・嗅覚・聴覚ときたらお次は味覚でヘビィボウガンを味わいたい。でも鉄や骨でできてる部位はさすがに食べられない。ならば食べられることがわかっているモンスターの素材だけを武器強化の巻き戻し機能で可食部位として取り出し、かまど焼きで焼いて食べる。うん、実に理屈として何の矛盾も無いのだ。

 矛盾が無さすぎて怖いッッッ!!!頭では分かっているのに、本能が『違う、そうじゃない』と訴えかけてくるこの感情は一体何なのだろうか。嗚呼、これがヘビィボウガンでありヘビィ・ニンジャ氏なのだ。古事記にもそう書かれている。

 それはそれとして、まさかヘビィボウガンを実際に作って食すまでをして下さるとは思わなかったものだ。しかも何気にスコープがあるし、弦の部分もちゃんと存在している。いやこのスコープ部分どうやって直立してるんだこれ。ともかく、いつの時代も想いこそが人を動かすのであり、それが今回の場合はヘビィボウガンに対する想いだったということなのだ。

 人間の想像力とは、かくも恐ろしきものよ。いや自分だって同じ人間のはずなんだけど。

 ちなみに各参加者への感想投稿および引用RTという面で、ヘビィ・ニンジャ=サンにも精力的に活動頂いた印象があります。この場をお借りして御礼申し上げます。

 

30. Day15 PM 旋律 さん

 どうして45,000字も書いたんですか?(現場暇猫)
 そんなの決まってるだろ、旋律さんだからこそだよ。私の心象としては旋律さんは『全部書かなきゃ気が済まない』タイプだと思っているのでこのぐらいになってしまうのは当然なのです。しかもMH3Gの凍土に出てくるモンスターを全て描ききることを選んでしまった。そりゃあこんな文量にもなりますって。

 ちなみに本人に確認したところ、

基本0か100か(書かないかぜんぶ書くか)のどちらかで、出演モンスターもストーリーも今回は後者を選んだので、すごく尺を取ってしまいました。

という回答を頂いたのでズバリ的中でした。

 それはさておき。モンスターと狩人との間の、気紛れかもしれない恩返し。

 元はと言えば、ここのジンオウガ亜種には主人公に対して仇討ちというか、それに近い殺意のようなものがあってもおかしくはなかったのだ。そういう可能性もあったかもしれない。しかし、それと同時にジンオウガ亜種には主人公に対する恩もあった。文字通り幼い頃の彼を間接的に救った命の恩人だったからだ。

 さらには、その過程で生命を切り捨てざるを得ないようなことはあれども、主人公には新大陸の人々のような『共生』という考えが確かに存在していたのだ。新大陸の自浄作用(ネルギガンテ)とまではいかないが、凍土の調停者。それをみすみす失ってしまうわけにはいかなかったのだろう。なんせあの崩竜の尻尾を切り落とし、退けさせる程だったのだから。

 なんというか、切なくも暖かい、不思議な物語でしたね。これも一つの専属ハンターのあるべき姿なのでしょう。

 

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