setohimaNote

感情でネタを思いつき、論理で記事を書き上げる、暇なせとのノートブック。セトヒマノート。 https://note.com/setohima から記事を移行しました。

VRおもいでさがし『天泣の社・神域 - sun shower shrine : sanctuary -』

 最近私がハマっているVRSNS、VRChat。そこには現実と見紛うような美しい世界がいくつも存在しているし、クリエイターの手で作られた美しいアバターが多数存在するし、VR空間上でDJや踊りを披露し観客を沸かせる人々がいる。

 

 私が常々考えていたのは、VRに触れたことがない方にもその魅力を伝えたい、ということだ。

 かと言って、突然自分が普段使っているアバターをここにさらけ出すというのはちょっと気が引ける。アバターはVRSNSを楽しむために重要な要素の一つではあるが、VRを知らない方へのアプローチ手段として用いるにはちょっと刺激が強すぎる*1と筆者は考えている。

 それではVRのことを知らない人にも抵抗感なく魅力を感じてもらえるものといえば何だろうか……と考えた時、VRの風景を紹介しよう、と思い至った。

 

 VRSNSにおける風景は、ユーザーが自らの手で作成することができる。その景色は技術面の都合上、現実の解像度や美しさにはまだまだ及ばない面もある。

 しかし、今の現実にはないがあり得る(あり得た)かもしれない景色を数多く生み出し、VRSNSユーザーから多くの賞賛を受けている空間やその作り手が存在するのだ。

 

 思い立ったが吉日。ということで、VRおもいでさがし』と題して、筆者がVRSNSを歩き回ってきた中で印象に残っているVR空間について、不定期に紹介する記事を書くことにした。

 

-------

天泣の社・神域

- sun shower shrine : sanctuary -

 今回紹介するのは、VRChatというVRSNSにおいてtiwaというユーザーが2020年8月4日に公開したVR空間だ。

 ここは、私が初めてVRChatにログインした時に、右も左もわからない私に対して親切にも初心者案内を買って出てくれたユーザーが連れてきてくれたワールドなのだ。

 

f:id:raito1261:20210513191733j:plain


 その空間に入ると、まず目に飛び込んでくるのは木造で和風の建築物。奥からは桜の花びらが散り散りに、風に吹かれて飛び込んできている。しかし、風が吹いてきているはずの奥の景色は霧で覆われている。

 

 さて、奥には一体何があるのだろうか……そう思いながら霧の方へ足を進めていくと、下り階段を下るとともにその霧が少しずつ晴れていく。

 

f:id:raito1261:20210513194727j:plain

 

 霧が晴れるにつれて、暖かな日差しとともに視界を埋め尽くすほどの桜が現れ始める。

 

f:id:raito1261:20210513195228j:plain

 

 階段を降りると、古びた社が連なる、一見奇妙だが独特な美しさを持つ景色が眼前に広がる。

 

f:id:raito1261:20210513195502j:plain

 

 もちろん、この社の付近にある階段は登ることができる。

 

f:id:raito1261:20210513200100j:plain

 

f:id:raito1261:20210513200522j:plain

 

 登る先を見上げてみれば、頭上にもより高い場所が見え、「あそこには何があるのだろう」と思わず歩を進めてしまう。

 

f:id:raito1261:20210513201022j:plain

 

f:id:raito1261:20210513201527j:plain

 

 頂上には透明な橋が架かり、空間が持つ幻想的な印象をより強くする。一方でこの場所から前方を見やると、まるで人が住んでいたかのような、人の意思を感じられずにはいられない統率のとれた空間が広がるように見えてしまうのだ。

 

 高台から降りてさらに奥へ進むと見えてくるのは、水辺に架かる橋や桜、そして天から流れ下りる滝。先ほどの人為的ものを感じる風景とはまた異なり、自然豊かな姿が現れる。

 

f:id:raito1261:20210513201359j:plain

 

f:id:raito1261:20210513203100j:plain

 

 その先を進むと、巨大の桜の木と、それとは対照的にぽつりとした建物が見えてくる。

 

f:id:raito1261:20210513203129j:plain

 

 その中には、ここまで来た来訪者達を労うかのような休憩スペースが用意されている。

 

f:id:raito1261:20210513203146j:plain

 

 この空間自体はここが終着点となる。ちなみに、ここで最初の場所に戻ると、実は行き先の霧が晴れているのだ。この場所から改めて眺める風景も趣があるものだ。

 

f:id:raito1261:20210513203313j:plain

 

 私がこの空間を気に入っているのは、「この先には何があるのだろう」と気になる仕掛けが随所に存在する点だ。入口の霧の演出といい、どんどん上がれる多数の階段といい、RPGで寄り道したくなるタイプの人なら間違いなく、そうでなくても気になってしまうような工夫が多く存在する。

 それが何を意図して作られたものなのかは定かではないが、きっと隅から隅まで空間を観て周ってほしいという作者の想いによるものではないだろうか。手塩にかけて作成した空間なのだから、来てもらったからには十分に満喫してほしいと考えるに違いない。

 このように、VRSNSにおける空間はただ綺麗な物体や風景を並べるだけでなく、プレイヤーの導線や行動を意識して作られているものが多い。そういった工夫がここ以上に多くみられるものについては、またの機会に紹介しよう。

 

-----

 

 ここで紹介した風景はあくまでもこの空間の一部分にすぎない。もし興味がある方は、ぜひVRChatで実際の空間を体験してみてはいかがだろうか。

 

 この記事を読んでくださる方の中には「VRなんて遠い存在だろう」、と思っている方も多いかもしれない。しかし、意外と知られていないことだが、最近のVRSNSというのは別にお高い機器を買わなくても、PCだけで同じ空間に行くことができるものが多い。

 VRChatもその例に漏れず、SteamからダウンロードすることでPCでこの空間に飛び込むことができる。PCをお持ちの方は、是非とも試してみてほしい。

 

vrchat.com

*1:別にやましい意味ではない…ではない(震え声)