setohimaNote

感情でネタを思いつき、論理で記事を書き上げる、暇なせとのノートブック。セトヒマノート。 https://note.com/setohima から記事を移行しました。

『鬼滅の刃』未履修の私が1週間でアニメと劇場版を履修したら戸惑った話

 鬼滅の刃の原作・アニメを未履修だった私は、突然2日でアニメ26話を一気に鑑賞し、さらに劇場版(無限列車編)を劇場で鑑賞しました。

 もちろん登場人物への同情などの念を抱きましたし、作品の作り手の想いが込められた映像や音楽に対する敬意を抱きもしました。しかし、劇場版を観た後に私の中を埋めつくした感情はそれらではなく、ある種の『戸惑い』でした。

※この記事の文字数は合計で約16,000字ですが、流し読みして頂きたい部分が約12,000字あります。

はじめに: ネタバレ注意

 この記事内には、直接的な表現は避けているもののアニメ版1~26話と劇場版(無限列車編)に関する重大なネタバレが含まれています。
 原作やアニメ等を見たことがない方はこの記事を一旦閉じて、先に自分でそれらを確認し自分の感想を抱いたうえでこの記事をお読みいただくことをお勧めします。
 その方が作品を楽しめますし、この記事でお伝えする『筆者が抱いた感想』が比較的納得いただけるようになるはずです(ならないかもしれない)。


自分の好みに偏りがちな筆者

 まず始めに筆者がアニメに対して普段どんなスタンスを抱いているかというと、『自分がすごく興味のあるアニメは追い続けるが、そうでなければ流行りものを含めは敬遠しがち』といったところになります。

 自分で見なくてもTwitterYoutube、Web上のニュースで概要が察せてしまうことが多い昨今。私もその例に漏れず、大概のアニメはそういった情報源から情報を得て『分かった気になる』ことが多いです。

 仮に自分で見たいアニメがあっても、アニメをぼーっと見ている暇があったらゲームをするなど、自分で手を動かしていたいことの方が多いです。その一方で、時間潰しにWeb小説ややる夫スレのような読み物を読むことも多く、なぜアニメの優先順位が低くなるのかは自分でもよく分かっていません。

(参考)
 今年度放送されたアニメで全話視聴したのは、はめフラとかぐや様2期とバンドリ3期です。


唐突なフォロワーさんからの誘い

 それはこの記事を公開する約1週間前の事。あるフォロワーさんの『鬼滅未履修の方に劇場版鬼滅の刃を見てもらった感想が聞きたい』(意訳)というツイートにいいねをしたところからとんとん拍子に話が進み、突然鬼滅未履修の状態から約1週間後(この記事を公開した日)に劇場版鬼滅の刃を観に行くことになりました。

 あまりにも軽いノリで決めてしまいましたが、劇場版鬼滅の刃が公開されて以降の人気ぶりを遠目で眺めていて、「こんなに世間の人々の注目を集めるのはどんな作品なのだろうか」と気になっていたことが決め手の1つでした。

 アニメの流行をほとんど追わない私からしてみれば、鬼滅の刃の人気ぶりは私の理解の範疇を超えていて、言ってしまえば少し不気味なものに近く、その理由を探りたかったというのもあります。


鬼滅の刃に対して無知な頃の印象と偏見

 今回、鬼滅の刃という作品に初めて触れるにあたり、私がTwitterやWebニュースから得ている鬼滅の刃に関する知識や偏見を予め洗い出すことにしました。

 また、以下はツイート内の画像とほぼ同一の内容です。

・なんかめっちゃ人気だけど何がそこまで人気を呼ぶのかよく分からない(そういう類のニュース記事等も目にしたことがない)
・理由はよくわからないけど鬼は殺す、慈悲はない。みたいな話
・炭治郎が炭を売ってるのと、Twitterで流れてくる原作漫画切り抜きの画像で真剣すぎて逆にちょっと面白い顔になってるのと、Fall Guysで王冠を掴みに行ってる(※)のは知ってる
・残りの主要な登場人物はサイコロステーキ先輩とか口になんか咥えてる女の子とか猪の被り物してる子とか黄色い髪のキザなイケメンぐらいしか知らない
・DX日輪刀
・なんか波紋の呼吸っぽい何かで戦う
・医療現場で集中の呼吸が役に立ってる
・きつめのやいば

(※)Fall Guysで王冠を掴みに行ってる:以下の画像を参照。

画像1


アマプラで鬼滅のストーリー概要を見た時の感想

時は大正、日本。炭を売る心優しき少年・炭治郎は、ある日鬼に家族を皆殺しにされてしまう。さらに唯一生き残った妹の襧豆子は鬼に変貌してしまった。絶望的な現実に打ちのめされる炭治郎だったが、妹を人間に戻し、家族を殺した鬼を討つため、“鬼狩り”の道を進む決意をする。人と鬼とが織りなす哀しき兄妹の物語が、今、始まる--! ©吾峠呼世晴集英社アニプレックスufotable
(Amazonプライムビデオ より引用、2020年10月26日閲覧)

・えっこれ大正時代の話なの???
・鬼こわっっっっっっっっっ!!!
・襧豆子(読めない)
・鬼ってなんなん……?そんな異世界転生並に簡単になれるもんなの……?
・話めっちゃ重そう
・これ子供がついていける話なのか……?初見の印象がNARUTOより重すぎる


アニメ版を全部観ることから始めた

 現状の自分を一通り把握したところで、まずはアニメ版の鬼滅の刃を1話から26話まで一気に視聴することにしました。そして、その時の感情は全てこの記事内に書き起こしてみることにしました。

 この項目内の文章はアニメを見ていて筆者が得た感情を赴くままに記したものであり、内容の推敲をほとんど行っていません。また、それを26話分書いたためこの項目内だけで文字数が1万字に達しています。

 全体的に同一人物に見えないような書き方をしていますが、残念ながら仕様となっております。また一部に、感情が沸点に達した結果一般の感覚とズレたことを書き記している箇所もあります。

 あまり真に受けず、流し読み感覚でお読みいただけると幸いです。

【第一話 残酷】
・襧豆子が口になんか咥えてる理由をようやく悟った(鬼に変化するのを防げる何かなんですかね)
・炭治郎めっちゃ村人に便利屋っぽく使われてるやん……優しい子
・なんかイケメンに斬られるかと思ったら斬られなかった
・「生殺与奪の権を相手に握らせるな」みたいなパワーワードをどこかで聞いた覚えがあったが、これが元ネタだったのかと察した
・自らが殺される前提で格上の相手に致命傷を負わせようとするキャラクターはなかなか貴重な気がする。あの戦闘シーンだけで続きが気になった

【第二話  育手・鱗滝左近次】
・冒頭突然のギャグ展開ィ!!
・どうやら炭治郎の強みは鼻が利くことらしい、血の匂いとか罠を設置した人の匂いとかそういうレベルまで嗅ぎ分けられるっぽい
・とはいえ師匠(名前忘れた)も言ってるように優しさが判断を鈍らせている部分もある
・1話のイケメン……あなたが巷でよく聞くギユーさんでしたか……
・襧豆子さりげなく強すぎないか???一蹴りで鬼の首吹き飛ばせるとかなかなかとんでもない筋力持ってる気が
・総じてギャグとシリアスのバランスが好みの比率。緩いところは緩く、締めるところは締めている

【第三話 錆兎と真菰】
・訓練回。
・何だかんだで2年以上?訓練を続けた炭治郎
・突然起きなくなる襧豆子。一体何があったのよ
・突然出てきたり突然いなくなる登場人物はこの作品のお約束なのだろうか
・呼吸について少し分かった。人間でも鬼とタイマン張るための技術なのね
・結局岩を斬れたがどういう事なの……
困難を乗り越えるには強い想いと少しの支えが必要なのだろうなあ、などと炭治郎の訓練風景を見ていて思う

【第四話 最終選別】
・なんか急に必殺技使えるようになってるやん炭治郎!!
・炭治郎くん、隙の糸?の匂いが分かるようになったらしい。訓練しすぎて我々の理解の範疇を超え始めたわね……
・岩の時に居た2人の子、やっぱり死者だったんかい!!
・師匠に捕まえられた鬼が師匠の子を喰い続けてるとかいう事実。おそらく師匠はそれを知らずに厄除のお面(厄除せになってる)を作ったり訓練を受けさせていたのだと思うと切ない気持ちになる
・隙の糸云々は炭治郎が確実に致命傷を入れに行けるタイミングが分かるようになるって事なのだろうか……いやよく考えたら攻撃を入れられる間合いに入ることさえできれば中々のチート能力では?
・デカブツの声を担当してるの子安さんか……?安定の小物感がいつも素晴らしいと思う。

【第五話 己の鋼】
・おいちょっと待てCM前ェ!!『5人も生き残った』って言ってるけど直前の場面で生き残ってたの4人じゃねーかよォ!!あと1人どこ!?
・『また私の子供が増えた』ってなんで勝手にお前の子供にされてるんじゃい!
・鬼それぞれにも背景があるんだなあと分かる描写、そしてそれに向き合おうとする炭治郎。やさしみが深い。
・炭治郎、対話を試みようとする姿勢は忘れていないものの向かってくる鬼を即切り捨てられように。成長したなぁ……(感慨)
・炭治郎くん、師匠と禰豆子との再会シーン。ちょくちょく裏話が撒かれていただけあってちょっとホロリと来そう。ちなみに自分は普段から涙腺が硬すぎるので泣けてない。
・炭屋の子供で髪と眼が赤いのは縁起がいい……何かの伏線か?他にも似たような人がそのうち出てきそうだな
・炭治郎くん、日輪刀が黒い。これは別に人の見た目と一致するわけじゃないんだろうね。
・しかしやさしみの塊だった炭治郎くんの刀が黒いというのもなんか不思議な話だ。個人的に黒という色には悪とか手段を選ばないとか無慈悲とかそういう印象がある。

【第六話 鬼を連れた剣士】
・黒い日輪刀にも能力があるらしいが分からないとは……果たして炭治郎に使いこなせるのか?いや主人公補正あるしな(適当)
・これ分かったぞー!?とりあえず鬼に人を沢山食わせればどんな能力者でも作れる設定だこれー!!
・無惨という原初の鬼が鬼を増やしているらしい……が、なんで1000年前からそんな事をし続けているのか何が目的なのかよくわからん。炭治郎家を襲ったのは偶然なのか意図的なのか?
・十の型・滝壺だっけ?刀から出せると思えない常識に囚われない技すき。
・しかし猪頭とか黄色い髪が全然出てこないね……当分先だろうか

【第七話 鬼舞辻無慘】
・(CM前)いえない……いえない……(炭治郎に口を斬られたから)言えない……
・(CM後)あ、さすがにそういう訳じゃないのね。
・少し戻るけど沼で使った技強すぎやろ。状況限定とはいえなかなかえげつない範囲と斬れ味
・鬼を3体切り伏せ、男に『お前に何がわかる!』と言い寄られようとも微笑みながら鬼が持っていた恋人の装飾品を男に手渡し去っていく炭治郎くん。刀持ったやさしみかよお前は!!!!!!!!!!!!!
炭治郎くんの嫁になりたい(???????????????)
・山かけうどんもらったー秒で落とすなーーーー!!!!!!!!!
・しかしちょくちょく飯テロ挟んでくるよなこのアニメ
・無惨さん普通に人間に紛れて生活してやがるーーーーー!?!?!?しかも妻子持ちーーーーー!?!?!!
近年稀に見るタチの悪いタイプのラスボスな気がする……っていうかラスボスの割に出てくるの早いな???

【第八話 幻惑の血の香り】
・無惨さんクールそうに見えてガチギレじゃないですか〜意外と小物感あるなぁ
・あーやっぱり赤い髪の人に無惨さん襲われたことあるんですね?やっぱ伏線ありますねえ!!
・ていうか禰豆子以外にも人間寄りの鬼がいるんですね。200年かけて余命の短い子供を鬼にさせる事で生き長らえさせようとする……お倫理壊れちゃーう!まあ愉快犯にしか見えない無惨さんに比べたらまだ真っ当な理由ではあるか
・寝るだけで鬼として本来必要な血液摂取を回避できる禰豆子はやはり物語の鍵を握ってるんだろうなあ
・そして矢印の鬼と手毬の鬼。舞台が大正時代とはいえなかなか見慣れない能力者ばかり出てくるのは結構好印象。

【第九話 手毬鬼と矢印鬼】
・鞠使いは割と見た目通りの遠距離パワータイプ、矢印使いはベクトル変化させられる矢印を飛ばす遠距離搦手タイプなんね。
・仲間のお陰で矢印見えるようになったけどあれはどういう原理なんだ……鬼にしか見えないものがあるって事なんだろうか
・それにしても戦闘がなかなか面白い。普通に考えて炭治郎が一方的に不利に見えるけど、機転を利かせて技で出る水に矢印を絡めとってその勢いを利用して矢印をスレイするのはお見事。あと主人公の説明は死亡フラグではないことがわかった。
・隙の糸くん久々に見えたと思ったらちぎれちゃうやんけ。これ今後ずっとちぎれっぱなしな使われ方しそうにしか見えないね……まあ能力系の創作には『作ってみたけど段々使われなくなる能力』はありがちだよね(偏見)。

【第十話 ずっと一緒にいる】
・あーん!炭治郎様が重傷を負った!これ鞠鬼どうすんの!?
・前話で蹴鞠じゃねーじゃん!というクレームが来たことに対応しているかの如く禰豆子VS鞠鬼の蹴鞠勝負……いや違う、そうじゃない。
・あっ……パワー馬鹿なのを利用して能力で無惨の名前を言わせて自爆させたー!?!?しめやかに爆発四散!
・鬼の呪いコワイ!!
・何だかんだで勝利。序盤でもう無惨様の直属の部下来てるのかと思ったけどそんなことは無かったらしい。
・というか無惨さん本当に小物だったのなお前……
・人間を家族だと思え、と暗示のかかった禰豆子が鬼の2人を抱きしめる。200年もの間人間をやめて鬼として生きてきた方にとってはそら感動ものですね……
・というか禰豆子はちょくちょく鬼が人間だった頃の姿が見えているように見える。何かの伏線だろうか……
・しかし休む間もないのな炭治郎くん……うちに来たらゆっくり休んでほしい……(?????)

【第十一話 鼓の屋敷】
・『なんだよその顔ォ!!!』
・炭治郎くん変顔でもなくガチで困惑してる顔で笑った。
・『なんか言えよォ!!!』
・炭治郎くんガチで引いてる顔(略)
・ということでやっと黄色い髪が出てきた。善逸っていうんか?
・敵は屋敷内の部屋の配置や重力を変更する能力者……なのか?
・モブキャラに人間性を諭されるメインキャラとか初めて見たんだが。善逸くん……
・そして猪頭も登場。二刀流だー!?なんか脳筋の匂いがする(炭治郎並感)
・しかし善逸くん今のところ役に立ちそうに見えないんだが……炭治郎が匂いに敏感なのと違って耳が利くようだが関係あるのだろうか。

【第十二話 猪は牙を剥き 善逸は眠る】
・タイトル、善逸をけなしているのかと思えてしまう。
・『千切り裂くような斬れ味が自慢なのさァ……』←すき
・その時の左端にちょっと写ってる刀←めっちゃすき
・ていうか鬼さんさっきから目と耳機能してるのかお前?炭治郎が話しかけても反応しなかったし。
・でも猪頭が動いた瞬間に攻撃を仕掛けてきた。建物内の振動かなにかに感覚を依存してる可能性が高そう
・回転させる鬼と部屋移動させる鬼は別物なのか……?うわあ面倒だこれ
・善逸と一緒にいるモブ男くん、どこかで聞いたことある声だと思ったらペルソナ4の家庭教師の行先にいた子と同じ声優さんなのでは?
・『雷の呼吸、一の型  紫電一閃』
・!?!?!?!?!?!?!?!!?!?
・寝てたり意識ない時が一番強いのに本人にその自覚がない……眠りの小五郎だこれーーーー!?!?!?!?
・うわーまじかよ……普段はギャグキャラポジだからギャグ補正で攻撃を回避できて、いざ攻めに転じると圧倒的攻撃力で瞬殺……なんだこのチートギャグキャラ!?!?!?!
・『十二鬼月に戻れる』……あーなるほど、君らにも昇進降格があるのね
・あー人間に稀血ってのが居て、そいつを食うと鬼としての経験値が普通の比じゃないくらい得られるのか……襲われやすい人種ってのがいるのね
・『俺は今までよくやってきた、俺はできる奴だ、そして今日も!これからも!折れていてもォ!俺が挫けることは!絶対にないッ!!』
・炭治郎くん名言製造機やな……今すぐ骨折の治療してあげたい……

【第十三話 命より大事なもの】
・善逸『気持ち悪い音が響いてくる』やっぱお前耳が利くタイプだな?
・そうなると禰豆子は目が利くタイプなのだろうか。鬼の前世というか人間時の姿見えてるし
・せっかくの名言なのに気合いで何とかならないんですか炭治郎くん!?!?!?
・あれ?この鼓鬼、人間への恨み憎しみから鬼になった……?自然発生もするのだろうか。よくわからん。
・そして状況に順応し始める炭治郎くん。たぶん未経験から2年で鬼殺隊し始めてるもんなあ、順応性高いよな
・攻撃前に紙の匂いがするとかいう。鬼は自分のルーツとなるものの匂いを纏ってしまうある種の弱点があるって事だろうか
VRで見る回転技かっこいいーーーー!!!!!!
・鬼にも人の心あるんやな……いやこいつだけかも知らんけど
・だから炭治郎くん骨折してるのに平然と病人を背負うとかやさしみの現人神かお前はーーーーー!!!!!
・善逸『声を聞いてわかった、あの猪頭が早く入山して早く下山した5人目の合格者』お前が5人目かーーーーー!!!!!!!
・なんか善逸が真面目に炭治郎くんの『泣きたくなるほど優しい音』について語ってるーーー!!!!!善逸…お前見た目が極端すぎるだけで中身めっちゃ良い子なのな……見直したぞ……

【第十四話 藤の花の家紋の家】
だから炭治郎はやく骨折なおしテ!!!!!!!
・猪頭体柔らかすぎンだろ……
・そして炭治郎くん頭突きが強すぎる。相手に脳震盪起こしてるのになんで自分は無事なんだ……あと早く骨折治せ……
・伊之助の中身……美形じゃないか……
・モブ女『お兄ちゃん頭硬ーい!』炭治郎『そうかな~?』
・いや自覚ないのかよォ!!!
・優しすぎて極大解釈が過ぎる炭治郎と倫理観を知らない伊之助の問答……なんだこれ……
・伊之助、何かと炭治郎より早く物事を済ませてマウントを取ろうとしているのに炭治郎にまったく意図を理解されていない。すれ違うこの気持ち……
・後半のテンションが高すぎて1番最後の伊之助のごとく私は考えることをやめた。前話の雰囲気は何だったのか……

【第十五話 那田蜘蛛山】
・小難しい言葉の意味も何も知らない伊之助の出発時の指摘がちょっと興味深い。本人には自覚ないだろうけど哲学的な問いかけに見える
・なんか鬼殺隊員が糸に引っ張られたァー!タイトルの蜘蛛がどうのこうのってことかしら
・とりあえず先に行こうとする伊之助、めっちゃ頼りになるなぁ……この子絶対TRPGとかで日常での扱いは面倒だけど戦闘シーンでめっちゃ頼りになるタイプだ。
・あー糸が人を操ってるのか
・なんか鬼殺隊の柱が来るっぽいー。ギユーさん久々だァ
・善逸、禰豆子を連れていれば放っておいても着いてくる説
・伊之助お前空間探知できるの!?
・えーでも家族『5人』って言ったか……?なかなか面倒そうな相手だなこの蜘蛛

【第十六話 自分ではない誰かを前へ】
・ん……?『母さん』とその子供?同士でちょっと険悪な様子……?
・『母さん』の方は別に人間に肩入れしている様子があるわけでもなく普通にやってしまってるしどういう関係だこれ。
・あー、『母さん』は『父さん』に脅されるか弱みを握られてて、子供は父さん寄りの立場なのか
・伊之助www炭治郎の機転を効かせた対処を真似するの可愛いwww
・からの炭治郎『すまない!ちょっと見てなかったー!』で吹き出したwww
・鬼殺隊員が首を折られたタイミングで炭治郎くんの雰囲気が変わりましたね……?
・炭治郎と伊之助のコンビネーション!というか炭治郎逆立ちから渦潮出せちゃうんかい!?
・炭治郎、『母さん』が絶望に悶えているのを見て技を変えたァ!!そんな穏やかな技があったのか……(普通に首切れてるけど)
・『母さん』が『父さん』のご機嫌伺いしてる場面とか見てると、鬼だからと言ってみんな同じ性格というわけではなく良くも悪くも人間らしいのが多いなぁと感じる。自分の偏見だと、創作上の鬼って傲慢だったりとか特定の性格に偏ってる印象があったからちょっとしたカルチャーショックを受けている。
・どの鬼も首を切られてから人間だった頃を思い出し始めるの切ないなぁ…
・ところで十二鬼月って全員と戦わないといけないんですかね……?しかも補充されるんすか…

【第十七話 ひとつのことを極め抜け】
・今度は善逸回か?
・鬼っていうか蜘蛛が来たァー!善逸くん蜘蛛堕ちしちゃうってマジ?
・善逸の師匠が出てきた…
・善逸お前…雷に当たって髪の色変わったのか…
・善逸お前…紫電一閃特化型なのか…
・善逸お前…家族失ってたのか…
・師匠はめちゃくちゃ優しかったんだな…
・めっちゃかっこいいーーーー!!!けど善逸お前死ぬのか…?
・お父さん!?!?腕めっちゃ硬い…?

※筆者注:ここから先、声がペルソナ3の男主人公に似ていると筆者が断定したことから、累(下弦の月の鬼)のことを『キタロー蜘蛛』と称しています。ちなみに実際には、累と男主人公の声優さんはそれぞれ異なります。完全に当時の筆者の思い違いです。

【第十八話 偽物の絆】
・お父さん…蜘蛛っていうか鬼じゃねえか…いや元々鬼では…?
・何言ってるんだろ俺…
・アアーッ炭治郎くんの必殺技チャンスをお父さんに奪われたァー!!ていうかお父さん十二鬼月なのね…
・鬼同士で仲間じゃなくて家族…?という割に炭治郎の言う通り上下関係しか見えないよなぁ
・ところでこのアニメ見てるとだんだん空中からの受身を水車で取りたくなってくるの俺だけ?
・ん…?出落ちにしか見えない鬼殺隊が出てきた
・アアーッ!!!まさかこれが噂のサイコロステーキ先輩!?!?これは流行るの間違いないですわ…
・考えるのが面倒だからって伊之助くん力押しでお父さんの腕切るの脳筋すぎるでしょwwwさすがだわ……
・キタロー蜘蛛を相手してる炭治郎くん大変そうやな…あんなサイコロステーキ見せられたらそら動くに動けんよな
・『さっきの言葉を取り消したら一息で殺してあげるよ』『取り消さない!俺の言葉は間違っちゃいない!』ああ、髪が赤いゆえの先駆者リスペクトってことか……(絶対違う)
・お父さん脱皮したーーーー!?!?お前鬼じゃなくて蜘蛛じゃん!?!?いや鬼だよ!?!?!?
・脱皮しただけで成長してるの鬼として規格外すぎるやろ…
・伊之助に刺さる炭治郎と旅館のおばあちゃんの言葉……いいね、熱いね
・アアーッ伊之助の刀が折れたァ!!!もうだめだぁ…おしまいだぁ…
・きた!メイン剣士ギユーさんきた!これで勝つる!!
・って炭治郎の刀も折れたぁぁぁぁぁぁぁぁぁやめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
・そこで終わるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

【第十九話 ヒノカミ】
・致命傷はギリギリ回避できたけど炭治郎くん無理ゲーでは???ていうか黒い剣の隠された能力も明かされてないのに折れるとかマジ???
・ギユーさん伊之助を縄で縛るの手際良すぎだろ…なんかそういう趣味でも持ってるのか(曲解)
・禰豆子ォォォォォォ!?!?!?
・姉さぁぁぁぁぁぁぁぁん!?!?!?
・結局この世は男性社会なのかよォ……
・いや待って姉さんなんで首切られてるのに平然と行動できてるの????鬼じゃないのか????まあ蜘蛛だしな
・キタロー蜘蛛の独白シーン……うわぁ流石のゲス演技っぷりだ……
・「恐怖の絆」か……
・いやキタロー蜘蛛お前が十二鬼月だったんかい!!!ところで今15って書いてなかった?定員オーバーしてません?
・いや違ったわ。下伍だった。
・禰豆子ォォォォォォォ!?!?!?
・体が糸以上の硬さなんかキタロー蜘蛛……強すぎる……
・その刀身で糸切れるのか…すげえな…
・『呼吸を整えてヒノカミ様に』…?
・炭治郎のお父さんも呼吸できたんやな…
・ヒノカミ神楽ッ!!!!燃えたァァァァァ!!!!
・隙の糸くん仕事した!!!!お前死んでなかったんか!!
・禰豆子シャベッタァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!血鬼術だァ!!!!魔血?
・おい待て首切る瞬間に刀の色変わらなかったか???伏線回収かー????
・おお…ブラボー…!ブラボー…!
・しかし急に来たなヒノカミ神楽。なんだその呼吸(今更)

【第二十話 寄せ集めの家族】
・キタロー蜘蛛生きてるゥ!!!!
・あーそうか…あくまで刀で首を切らないとだめなのか。それで前話のお姉ちゃん生きてたのね
・ギユーさああああああああああん!!!!!
・いやギユーさん行動が早すぎるし止めがあっさりすぎるwwwww
・家族ごっことは一体……うごご
・それにしても妙な家族だなぁ……
・「今日は月が綺麗ですね」(殺意)
・「私は怒ってい るわけではないのです!ただ確認したいだけ」
・「罪人は罰を受けて生まれ変わるのです!」
・あっこの人極端にLow寄りのやべー人だ!!!
・うわー!!!鬼を毒殺するとか余計にやべー奴だ!!!
・記憶を思い出したいから家族ごっこしてたんか…傍迷惑な鬼やな

【第二十一話 隊律違反】
・初手キタロー蜘蛛の過去
・無惨さんが余計な後押しをしたんだなぁきっと…
・しかしまあ今の所出てくる悪役のほぼ全てに背景描写や裏話があるとはなんと恐ろしい作品なんだ……なんというかこの点だけでもすでに『他人にただ読んでもらうことを優先して作られた在り来たりな作品』じゃあないってことが伝わってくるんだ……
・ギユー「俺は嫌われてない」
・そこじゃねーよ!!!!!いや気にしてるんだろうけど!!!
ギユーさんのとぼけ顔wwwwwクッソwwwww人気のあるキャラクターってことがよく分かるwwww
・言われてみれば伊之助今回鬼を倒せてない……やはり筋肉だけでは解決できない事もあるのか……?
・なんか柱の人が勢揃いらしいですねぇ…何が始まるのやら

【第二十二話 お館様】
・炭治郎、急に裁判にかけられる。まあ禰豆子をかばい続けてる訳だしな…
・恋柱wwwwいちいち台詞がwwww
・お館様?
・炭治郎くん…手を縛られても最強の武器(頭突き)あるの強いよね…鬼滅でスパ○ボ風のゲーム出たら炭治郎くんの最強武装が頭突きになると思うレベル…
・お館様もなんか鬼みたいな変な顔してるな…?
・あ、目が見えないのねお館様
・炭治郎(知性も理性も全くなさそうだったのに、凄いきちんとした礼儀正しさだぞ…!)一言余計だぞwwww
・炭治郎師匠…お前…元柱だったのか…
・お館様「禰豆子が人を食わない保証はないが、禰豆子が人を食う保証もない」うーん公平公正なジャッジメント。すき。
・おや、柱でさえも無惨さんには遭遇したことがないらしい。無惨に会ったことがあるというだけで価値があるということなのか
・禰豆子耐えられるのかこれ…?
・裁判だけで1話終わった…時間経つの早いなぁ

【第二十三話 柱合会議】
・お館様直々に十二鬼月と無惨様の討伐指示を頂く炭治郎
・炭治郎「そこの傷ある人に頭突きさせてください!禰豆子を刺した分だけ絶対に!!」
・一番仕事しなさそうな霞柱?がいいところで仕事した…
・玉淀さんって誰だっけ……?(登場人物の名前を覚えられないことに定評のある筆者)
・結局炭治郎が謝罪させるはずがモブ鬼殺隊の2人に炭治郎が謝ることになるオチで笑う
・善逸生きてたァ!!!伊之助もいたァ!!
・伊之助喉潰れてるwww
・めっちゃ自信無くしてるやん伊之助…
お館様の話を聞いてると頭がふわふわした…?やっぱりお館様能力持ちの鬼では???人間に紛れてる鬼いるしなぁ

【第二十四話 機能回復訓練】
・機能回復訓練…一体何が始まるんです?
・(ヨ゛ワ゛ク゛テ゛ゴ゛メ゛ン゛ネ゛)
・機能回復訓練の内容がわからねえwww
・善逸wwwww勢いについていけないwwww
・全集中の呼吸を常時使わないと次のステップに進めない…頑張れ炭治郎…お前ならやれる…
・息でひょうたんを吹き破裂させる訓練……????
・蟲柱さん毒舌家かと思ったら優しい所もあるじゃねえか…
・ああそうか、ギユーさん無口だから蟲柱さんが柱の中の説明役ポジなのか……

【第二十五話 継子・栗花落カナヲ】
・なんだ冒頭の4コマ漫画みたいなアイキャッチシーンは…
・マジでひょうたん割っちゃったよ炭治郎……
・蟲柱www炭治郎にできて伊之助にできないという点を利用して煽りおるwww善逸もその気にさせおったwww
・もしかしなくても蟲柱さん人を使うのお上手では…?
・『何も辛くなくなった』…?なかなかえげつない過去だな
・昔の蟲柱さん、割と早口だったのな…
・伊之助ほんとに刃を削らないと気が済まないのなww
・蟲柱でもヒノカミ神楽ご存知ないのか……ヒノカミ神楽とは一体
火の呼吸と炎の呼吸は違う?
・禰豆子シャベッタァァァァァ(喋ってない)
・鉄道…?もしかして映画の伏線か

【第二十六話 新たなる任務】
・あれ?OPが無かった
・なんか急に場所変わった
・十二鬼月の下弦だけ揃えてる?
・無惨様だァ!!!いや女装趣味あるのかよ…
・十二鬼月も育成が大変なんだなぁ
・いやだからって下弦皆殺しにするのかいwww
・「無限列車」という言葉が聞こえましたね…
・劇場版では火の呼吸と炎の呼吸のコラボが楽しみですね…
・炭治郎「ただの偶然だよ。それに、表が出るまで何度でも投げ続けようと思ってたから」だからいちいち一言余計なのはどうしてなんだwww
・そして無限列車に乗車して終了…

アニメ版を見た時点での印象

 全体的にジャンプ作品の例に漏れず、努力して勝利という点を抑えている作品だと思いました。その一方で、出てくる悪役のほとんどに背景描写があったり、元が人間だったりという点が興味深いです。ラスボス役だけでなく、道中で主人公たちの壁となるような敵にも感情移入させられてしまいそうになるのはそれまでの作品と何かが違うことを感じさせてくれます。

 唯一の不満点は、戦闘続きだった21話までと比べて22話以降に戦闘の描写がなく、盛り上がりに欠けてしまうと感じたことです。劇場版への伏線のために描写しなければならないのだろうが、穏やかなシーンが続きすぎていて落差にびっくりしました。

 ともあれ、この流れだと劇場版も適度に主人公達が苦しみつつも辛勝する展開になるんだろうなぁ。と、そんな事を呑気に考えながら劇場版視聴の日を迎えました。

劇場で無限列車編観た

・炭治郎、伊之助、善逸、禰豆子(が入った箱)。このフォーメーションに実家のような安心感を覚えるようになってしまった
・炎柱さん、アニメ本編で見てた時からやべーやつだと思ってたけどヤベー奴だわ……
・なんか照明がチカチカしてるのはもう能力発動が始まってるのか?
・なんかめっちゃ目が死んでる車掌が切符を切っていく
・めっちゃモブみたいな鬼が来たー!!
・煉獄さん強すぎるwww
・なんか鬼滅キッズトリオ(炭治郎、善逸、伊之助)の様子がおかしい
・みんな寝てるーーー!?
・炭治郎は実家のみんなが生きてる夢、煉獄さんは実家の夢、善逸は禰豆子とイチャイチャする夢、伊之助は洞窟で探検する夢(無限列車が虫になってる……)
・善逸が寝てる……?あれこれ特に問題なくなるのでは
・なんか子供とロープで繋がると子供側が炭治郎たちの夢に侵入できて、そこから行ける無意識の核を破壊すると廃人化できるのね?ペルソナ5やったことあるから言いたいことは理解できるぞ。
・煉獄さん核を破壊されそうになった瞬間に寝ながら無意識に子供の首を掴むのどんな生存本能だよ……生存本能ヴァルキュリアかよ……(????)(男だが????)
・いやアニメ1話で自分を犠牲にしてでも勝負に勝とうとする思考があるとはいえ炭治郎くん夢の中で自分の首を切って現実に引き戻されようとするのも中々極まってるなお前な……しかも何回も繰り返してるぜ……
・いやにあっさり首撥ねられたなこの鬼
・いや待てや、鉄道と同化する鬼って何なんだよwww
・何だかんだで起きる伊之助、寝ながら禰豆子レーダーで触手を破壊し続ける善逸。
・一薙ぎでめっちゃ大量の触手を粉微塵にする煉獄さん。1人だけ規模がおかしい。
・鉄道の鬼の首ってことは先頭車両のトーマスの顔みたいな部分……え、違うの?車掌のいる部分?
・だんだん伊之助の扱いが手馴れてくる炭治郎くん。この包容力もやさしみの一部に過ぎないんだよな……(?)
・伊之助と息を� ��わせて首チョンパ!!ヒノカミ神楽だァ!!!

・え、これで目標達成?なんか割とあっさりだったな……これで劇場版終わるのかーちょっと期待はずれだったなぁ~

・(スクリーンの光を利用して腕時計の針を見る)
・(まだ30分ある)
ま だ 3 0 分 あ る

・は?なんで急に上弦の三番が来てるんですか???ついさっき上弦はここ100年ぐらい入れ替わってないって誰か言ってたばかりですよね???能力差やばくない?
・いや、煉獄さんならきっと何とかしてくれる……!!

・戦闘が早すぎて、ほとんどヤムチャ視点になってしまう炭治郎や伊之助には手出しができない……行っても足手まといにしかならない絶望
・どこを切っても再生する鬼、少なからずダメージを受ける煉獄さん……おいやめてくれよ
・煉獄さん覚醒来た!これで勝つ……てない?


・あああああああああああ煉獄さんの腹を上弦の腕が貫通してるううううううううう
・煉獄母「弱き者の助けとなり、弱き者を救うこと。それが強き者の役割」刺さるなぁ、この言葉……
・煉獄さん火事場の馬鹿力で鬼の逃亡を防いだああああああああああ首も半分切れてるうううううううう
・炭治郎と伊之助いっけええええええええええないいいいいいいいいいいい!!!!!!!


・……は?(困惑)
・いや待てや上弦逃げるなおい
『太陽から逃げてるだけ』は?(半ギレ)
・炭治郎くんの刀が届くも致命傷には至らず……正義の叫び声と慟哭も相手には届かない……
・いや待ってよ煉獄さん……
『胸を張って生きろ』ってお前……
・……
・マジ?

悲しみよりも戸惑いが勝ってしまった

 結局、私は劇場版で涙を流すことなく視聴を終えてしまいました。さらに、劇場版を観た後に残された感情は『戸惑い』が全てでした。

 私の戸惑とは、この鬼滅の刃という作品の『無慈悲さ』に対する戸惑いなのだと思います。
 炭治郎が最後に泣きながら言っていました。『どんなに努力を重ねても、それより高い高い壁が自分達を待っている』と。実に無慈悲ですが、確かな事実です。

 そもそも私がこの劇場版に何を(勝手に)期待していたかと言えば、「柱の誰かと炭治郎達が協力してめちゃ強い鬼をスレイしてハッピーエンドするんだろうな~~~」というものでした。

 皆様お察しの通り、この期待はほぼ全てが外れでした

 確かに共闘要素は存在しました。しかしそれは煉獄さんが列車の半分以上を守り、炭治郎達が本体を叩くという分担作業。実に合理的な共闘だと言えますが、肩を並べて戦うことを勝手に期待していた私にとっては想定外でした。

 ですが、肩を並べて戦わないことが合理的であることすらも、劇場内で明かされてしまっています。煉獄さんが本気で敵とやり合うと、炭治郎達はお荷物でしか無くなってしまうのです。そのため、肩を並べて戦おうとするのは(主に煉獄さんにとって)余計なリスクを背負うことでしかありません。それもあって、煉獄さんは炭治郎達に対して待機命令を下した。これは炭治郎くんが列車内で弱者である乗客を安全な場所に避難させた上で戦おうとしたのと同じくらいに合理的な選択なのでしょう。

 そして最後のトドメは、合理的な選択を続けた上での事実上の敗北です。日が射してくれば鬼は死に物狂いで逃げます。それまでどんなに正々堂々と戦おうとしているように見えた上弦だとしても、逃げる時は逃げます。何故なら鬼滅の刃における鬼とは、お伽噺にありがちな、武士道やら騎士道の精神を持った武人気質な存在ではなく、所詮は余計な力を手にした元人間でしかないからです。実に合理的な話です。

 そしてその逃亡を阻止することができなかった煉獄さんや実力を充分に持ち合わせていなかった炭治郎達は鬼を殺すことが出来ず、事実上敗北します。当然の帰結でした。

 とはいえ。それでも。

 どんな創作であれ、やはり主人公には幸せになって欲しいし、善い登場人物が往生する場面はあまり見たくない、というのが私の本音でした。

 そして鬼滅の刃は、そうした私の勝手な妄想を真っ向から否定し、実に合理的な選択をする人間達と元人間達を無慈悲に描写する作品であるとの実感が、劇場版を見終えこうして自分の考えを整理している中でようやく得られたのです。

 そもそも、私はどうして見ず知らずの鬼滅の刃という作品に(その作品にとって)歪な期待を寄せていたのでしょうか。それは、昨今の文庫本や漫画界隈にやって来ているような、いわゆるなろう作品の影響を無意識のうちに受けていたからなのかもしれません。

 なろう作品は深いことを考えずに、読み手側が頭を空っぽにして楽しめる(※)ものが大半です。主人公が苦しむような描写は無いわけではありませんが、何やかんやで乗り越えていくし、そもそも主人公が苦しまないような作品すら存在します。

(※)一部『読むのが苦痛』とされる作品もあるが、その話はここに含まないものとする。

 そういった作品を読んでいるうちに、いつしかそれが自分の中の基準になっていたのかもしれません。逆に言えば古来の努力友情勝利が主題の作品というのは残酷なほど合理的なものが一般的だったのではないかと思います。あまり触れたことはありませんが。

 ともあれ、私の戸惑は『自分の理想と無慈悲な作品内容とのギャップ』に由来することである、という結論が自らの中で腑に落ちました。


鬼滅の刃によって私の何が変わるのか

 先程の『理想と現実とのギャップ』というのは、端的に言ってしまえば『勝手に期待して勝手に裏切られた』ということになるのですが、それを受けて鬼滅の刃という作品に対して悪い感情を抱いたわけではありません。むしろ、なろう系作品が少しずつ増えている昨今によく出してくれた、という喜びのほうが大きかったりします。
 少なくとも私の場合は全部自分がきっかけなのですから、それを鬼滅の刃という作品に求めるのはおかしいとも思います。

 それはそれとして。あまりにも劇場版の炭治郎くん達が報われなさすぎて消化不良なので、原作漫画で続きを読もうと思っています。

 劇場版があの人気ぶりですから、無理に原作を読もうとせずともいずれアニメ2期やら何やらが出るに違いないでしょう。とはいえ、それを待っていられる程度のモヤモヤ感をとうの昔に超えてしまっているのです。
 関係者の皆様につきましては、引き続き私に対しては原作に関するネタバレにご配慮頂けると幸いです。

 また、軽い気持ちで読める作品ばかり履修していると、鬼滅の刃を始めとする『合理的かつ無慈悲』な作品に対して変な部分(戸惑い)で精神的ダメージを受けてしまうことが分かったので、巷のもう少し普通の小説を読む習慣も付けようと思いました。
 とはいえ普通の作品というか『合理的かつ無慈悲』な作品に疎いので、オススメがありましたら教えて頂けると幸いです。